2023個人的な 読書メモ 去年までの記録は整理中 |
9/20 かたばみ 木内 昇 角川 2023 地味な家族小説だ。舞台の背景 も登場人物も特段の人々ではな いし至ってまともな展開。なのに 心が揺さぶられる。ぜひ一読を。 |
9/17 惜別の海(下) 澤田ふじ子 中公文庫 2008 やっと死んでくれたか秀吉。朝 鮮からそんなに多く人々が人買 いにあっていたとは。ていねい な調べが歴史をリアルにしてく れた。 |
9/12 惜別の海(中) 澤田ふじ子 中公文庫 2008 海とは渤海だったのか。朝鮮 出兵という野望に翻弄される人 々。利休の切腹や矜持ある人々 が描かれる。 |
9/6 惜別の海(上) 澤田ふじ子 中公文庫 2007 天下統一を果たした秀吉の命 で近江近辺の石工達は次々と 普請にかり出される。保護され る後ろ盾を持たない人々は。 |
8/30キャベツ炒めに捧ぐ 井上荒野 角川春樹事務所 2011 気軽に読める惣菜屋を舞台にし た3人のおばちゃんの物語。離 婚や死別で今は一人だがそれ ぞれにボーイフレンドはいたり・・ |
8/27 天災ものがたり 門井慶喜 2023 天災と言うが人が作ったものに 災いする。自然の中の災いでは 天災とは言わない。いろいろな 角度で時代を切り取って人を描く。 なかなかの大当たり。 |
8/18 霜月記 砂原浩太朗 講談社 2023 18歳になった主人公は父親の 失踪により、家督を継ぎ町奉行 となる。隠居した祖父は名奉行、 父は?居所さえ分からない。 |
8/5 青玉の庭 澤田ふじ子 光文社 2014 10年の間があると随分と穏や かになるのか。作者がよく知る 時代の京の市井の人々の物語。 |
8/1 花籠の櫛 澤田ふじ子 徳間書店 2004 初っぱなから少女が関所破りで 磔になる話。それを命じた武士 は己の間違いに気づき通りが がりの僧に頼んで得度する。短 慮な命令の原因になったのは。 巡る巡る因果応報? |
7/23寒山拾得・阿部一族 森鴎外 文庫 子どもみたいなヘラヘラ笑った 顔が忘れられない。こんな話 だったのか。ちと読み返しが 必要。阿部一族も江戸時代の 殉死の話。切々と。淡々と描 かれているのに。 |
7/19まるまるの毬(いが) 西條奈加 講談社 2014 このシリーズの第一巻を最後 に読んだ。逆だったなぁ。これ があったから登場人物達は、 自分らしく生き手行けるんだ。 |
7/16クスノキの番人2020 東野圭吾 実業之日本社 主人公は聞いたこともない亡母 の姉から突然援助を受け、断る ことも出来ず一族が長年管理し てきたクスノキに祈念来る人達 の世話をすることに。そーか。 |
7/11 うさぎ玉ほろほろ 西條奈加 講談社 2020 雲平はすっかり家族に馴染み 4人の生活は穏やかに楽しく 過ぎていく。工夫される菓子は 人情と切り離せない。火事の 中、人々は。 |
7/9 亥子ころころ 西條奈加 講談社 2019 江戸の菓子屋南星屋武家出 身の治兵衛、出戻りの娘お永 孫のお君の3人で全国各地の 地元菓子を工夫して評判を取 っていた。そこに渡りの菓子職 人が住み着くことになる。 |
7/7 茜唄(下) 2023 今村翔吾 角川春樹事務所 いやいや物語、オットトの展開。 後半で明かされるのはタイトル 意味。血がいっぱい。近年の 大河ドラマの俳優さんの顔が 浮かぶ。迷惑だろうな。作者に は。エンタメ。 |
7/3 茜唄(上) 2023 今村翔吾 角川春樹事務所 平家が滅んで20余年。後年平 家物語とよばれる祇園精舎・・・ 教えらを請う琵琶法師はその戦 の当事者の一人だった。 |
7/1 汝、星のごとく 凪良ゆう 講談社 2022 読みやすい愛の物語。泣ける。 島に育つ少女は母のケアをし、 転校生の少年も男出入りの激 しい母と生きてきた。卒業を迎 えた二人は選択を迫られる。 |
6/29 ボタニカ 朝井まかて 祥伝社 2022 現在朝ドラ放送中の牧野富太郎 「おまんの、まことの名ぁを知りた い」を主人公にした物語。ボタニ カは種子のこと。破天荒な生涯は 朝ドラより辛口。 |
6/21 御師弥五郎 西條奈加 祥伝社 2020 お伊勢参りの旅の取り仕切りを 行うのが御師。世襲の家業をど こか胡散臭く感じていた主人公 は江戸に出た。が知り合いのた めに御師の役を果たさねばなら なくなる。守り役の惣助が付くが。 軽くエンターテイメント。 |
6/16 きろいゾウ 西 加奈子 小学館 2006 都会で出会った若い夫婦は田 舎暮らしを始める。「きいろいゾ ウ」という童話に併走して描か れる夫婦。同じ一日を二人それ ぞれの視点で描く。お互いを大 切するとはどういうことなのか。 もったいないから少しずつ読む。 |
6/3 涅槃の雪 西條奈加 光文社 2011 北町奉行所の与力が主人公。 天保の改革の嵐の中、強面で 賄を受け取らない男は、不器用 であったが一人の女を愛した。 というだけの話ではないが読後 感が良いのはそのあたりのせい。 |
5/28 漱石センセイと私 出久根達郎 実在した女性は「吾輩は猫であ る」にも登場するヒロイン。物語 はどちらにも付かず作者が読手 の混乱すら楽しんで編んだ。上 手いなぁ、煙に巻くのが。ふふ |
5/26 馬上の星小説・馬援伝 宮城谷昌光 中央公論新社 2022 若い時より人より馬や牛の方が いいと言った後漢の武将。その 人生の大半は戦いではなく民の 暮らし共にあった。しみじみ。 |
5/21 六花落々 西條奈加 祥伝社 2014 六花とは古来からの雪のこと。 古河藩の下士であった主人公 は何にでも興味を持つ。そこを 認められ藩主の学問の相手を することになる。渡辺崋山の「鷹 見泉石」が相棒。蘭学が人々の 間に浸透していくのが軸。 |
5/19 せき越えぬ 西條奈加 新潮社 2019 時は幕末、箱根の関所に勤める 侍と仲間、家族の物語。箱根の 街道を歩いたことがあるのでそ こは面白かったがもっと人々を 描けた様な。気楽に読める。 |
5/16 某 川上弘美 幻冬舎 2019 「なにがし」とは読まず「ぼう」がタ イトル名。川上作品は一息つきた いときに受け入れやすい文体だ。 初めのうちは医師や看護師に遠く からコントルールされていた私、某 は何者でもない者で時々違う人格 になる。記憶は残るような・・・。 |
5/7 佐野洋子の 「なに食ってんだ」 佐野洋子 オフィスジロー編 NHK出版 2018 あいうえお順に佐野洋子の作品 から選ばれた食べ物が登場する。 どこから読んでもつまみ食いの気 分。楽しい。 |
4/30 文豪、社長になる 門井慶喜 文藝春秋 2023 菊池寛はヒロシと読むのにまわ りがカンと言うので面倒くさくて そのままのしたとか。戦後公職 追放になるまで大事に育てた総 合誌文藝春秋を発行者の物語。 |
4/28 「短夜の髪」 澤田ふじ子 光文社 2016 江戸時代の京都。柊屋は目利き の親子3人で営まれていた。小さ な堅気の骨董屋に起こる事件。 京都市井の物語は安心して。 |
4/23 「やがての蛍」 澤田ふじ子 徳間書店 2006 京都の風呂屋を舞台にした市井 の人々に起きる事件を扱った物 語。読みやすい。 |
4/20「夜に星を放つ」 窪 美澄 文藝春秋 2022 人物もストリーもどこかで見たよ うな。何が違うのだろ。圧倒的な 普通の人の存在感、生きる場所。 文章はさりげなく、進行はていね いにの短編集。読後感がいい。 |
4/16「慶応長崎事件」 司馬遼太郎 講談社 1985 切り込み方が興味深い短編集。 時代は幕末が多い。時代の狭 間で生きた有名、無名の人々。 少し前の活字はこんなだったけ。 今のフォントは読みやすい。 |
4/9「蠕動で渉れ、 汚泥の川を」 西村賢太 角川書店 2019 私小説作家の青春期なんて楽 しい物語ではない。しかし青い 時代であることに変わりはない。 |
4/4 「戦の国」 冲方 丁 講談社 信長、謙信、光秀、大谷吉継、秀 頼といった人々の戦。貫くのは街 道の整備と戦略の工夫。理屈が 勝ちすぎる様な気もする。短編集。 |
3/30「満つる月の如し仏師・定朝」 澤田瞳子 徳間書店 2012 18歳の定朝は仏師としてすでに 頭角を現していたが、平安の都は 生き地獄の有様。作品に感動した 叡山の若いが高僧であった隆範 と出合う。藤原道長の時代、二人 は策謀にまみれまがらもおのが道 を行こうとする。 |
3/23「芝公園六角堂跡」 西村賢太 文藝春秋 2017 気になった作者の短編集。お馴 染みの場所、人々が登場しそれ ぞれに交錯。不思議とそれ前に という感想は出てこない。より深 く。そろそろ藤澤清造を探してみ るか。他3編。 |
3/22 「深重の橋」上下 澤田ふじ子 中央公論社 2010 牛という名の人買いに売られた 少年は湯屋の下働きとして酷使 されるが、文字に九九、剣を覚え ひとかどの商人となる。時代は応 仁の乱の前後。銀閣を作った将 軍義政が新しい顔を見せる。二人 は会うことはなかったが。 |
3/18 「大聖堂」 ケン・フォレット 矢野浩三郎:訳 ソフトバンク文庫 2005 全編1800ページぐらいを文庫版 で三巻に分けている。舞台は中 世のイギリス。ゴシック建築の粋 を集めた大聖堂を造ろうとする 修道士、石工たちの家族を巡る 愛と策謀の物語。ふ〜ん。 |
3/7 「蝙蝠か燕か」 西村賢太 文藝春秋 2023 一年後の命日に上梓された最 後になってしまった短編集。藤 澤清造の没後弟子と自ら名乗 り完璧な全集を出そうと奔走す る日々を描く。他2編。おすすめ |
3/4 「定価のない本」 門井慶喜 東京創元社 2019 確かにミステリーだった。占領下 なぜか焼け残った古書の町で古 典籍、明治維新以前の和本を専 門に扱う主人公は、GHQと戦う 羽目に。楽しめました。 |
2/28 「地図と拳」 小川哲 集英社 2022 登場人物が少しなじみになる と死んでいく。日露戦争前から 始まる満州が舞台の話だから 仕方がないのかも。広い舞台 時間軸も長い直木賞受賞作。 |
2/21 「公孫龍第2部赤龍編」 宮城谷昌光 新潮社 2022 中国春秋時代末期、周の王子 稜は命を狙われ公孫龍という 商人に生まれ変わって生きて いる。英明な彼の姿は各地の 人々に多大な影響を与えてい く。お馴染みの楽毅や孟嘗君 などの登場が楽しい。 |
2/19 「師走の扶持 京都鷹ケ峯御薬園日録」 澤田瞳子 徳間書店 2015 上品な江戸時代の人情物語。 ヒロインは京都の薬草園に暮ら す娘。嫁入りよりは自分の知識 や経験が役立たせることを望む。 さてさて薬では治せない人生模 様をえがく。 |
2/10 「家康に訊け」 加藤 廣 新潮社 2019 これ小説?という表題作品と急 逝した作者の原稿を編集者がま とめた物と編集後記にあった。 後編の方が面白かった。不当に 改易された福島正則の暗殺。こ れを阻もうとする旧豊臣方。これ でもかと忍びの皆さんが一同に 会するエンタメ。 |
1/22「笑うマトリョーシカ」 早見和真 作 文藝春秋 2021 ・メガネが合わない。やっと一冊 目。次期官房長官候補と秘書 は高校時代からの同級生。二 人の話では収まらない。タイト ルが示唆するものは。結構ドロ ドロ。 |
1/25 「江戸一新」 門井慶喜 作 中央公論社 2022 読みやすい文体。地図が欲しい。 明暦の大火後の復興を知恵伊 豆こと松平信綱を主人公に据え 語らせた物語。天守は?炊き出 しは?興味深いことが次々。幕 閣、庶民等々出演者には事欠か ぬエンタメ。 |
1/31 「老人ホテル」 原田ひ香 作 光文社 2022 16歳から一人で生きてきたヒロ インは古いビジネスホテルの清 掃員として働き始める。そこは 居場所のない老人の吹きだま りだった。しかし思わぬ展開が。 いつもの自己管理への道? |